効能効果 | - ○既存治療で効果不十分な下記疾患
- 関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
- アトピー性皮膚炎注)注)
- 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
- ○SARS-CoV-2による肺炎(ただし、酸素吸入を要する患者に限る)
- ○円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)
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用法用量 | - <関節リウマチ、アトピー性皮膚炎(成人)、円形脱毛症>
- 通常、成人にはバリシチニブとして4mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて2mgに減量すること。
- <アトピー性皮膚炎(小児)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
- 通常、2歳以上の患者には体重に応じバリシチニブとして以下の投与量を1日1回経口投与する。
- ・30kg以上
- 通常、4mgとし、患者の状態に応じて2mgに減量すること。
- ・30kg未満
- 通常、2mgとし、患者の状態に応じて1mgに減量すること。
- <SARS-CoV-2による肺炎>
- 通常、成人にはレムデシビルとの併用においてバリシチニブとして4mgを1日1回経口投与する。なお、総投与期間は14日間までとする。
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効能効果に関連する使用上の注意 | - <関節リウマチ>
- 5.15.1 過去の治療において、メトトレキサートをはじめとする少なくとも1剤の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること。
- <アトピー性皮膚炎>
- 5.25.2 ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤による適切な治療を一定期間施行しても、十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ患者に用いること。[17.1.6-17.1.9参照]
- 5.35.3 原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること。
- 5.45.4 本剤投与時も保湿外用剤を継続使用すること。
- <SARS-CoV-2による肺炎>
- 5.55.5 酸素吸入、人工呼吸管理又は体外式膜型人工肺(ECMO)導入を要する患者を対象に入院下で投与を行うこと。[17.1.10参照]
- <円形脱毛症>
- 5.65.6 本剤投与開始時に、頭部全体の概ね50%以上に脱毛が認められ、過去6ヵ月程度毛髪に自然再生が認められない患者に投与すること。[17.1.11、17.1.12参照]
- 5.75.7 円形脱毛症以外の脱毛症に対する適応はない。
- <多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
- 5.85.8 過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること。
- 5.95.9 若年性特発性関節炎のうち全身型若年性特発性関節炎に対する有効性及び安全性は確立していないため、投与しないこと。
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用法用量に関連する使用上の注意 | - <関節リウマチ、アトピー性皮膚炎(成人)、SARS-CoV-2による肺炎、円形脱毛症>
- 7.17.1 プロベネシドとの併用時には本剤を2mg 1日1回に減量するなど用量に注意すること。[10.2、16.7.1参照]
- <関節リウマチ、アトピー性皮膚炎(成人)、円形脱毛症>
- 7.27.2 本剤4mg 1日1回投与で治療効果が認められた際には、本剤2mg 1日1回投与への減量を検討すること。[17.1.3-17.1.8、17.1.11、17.1.12参照]
- 7.37.3 中等度の腎機能障害のある患者には、2mgを1日1回経口投与する。[2.6、9.2.1、9.2.4、9.2.6、16.6.1参照]
- <関節リウマチ、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
- 7.47.4 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤と抗リウマチ生物製剤や他の経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤との併用はしないこと。本剤とこれらの薬剤との併用経験はない。
- <アトピー性皮膚炎、円形脱毛症>
- 7.57.5 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤と免疫調整生物製剤、他の経口JAK阻害剤、シクロスポリン等の強力な免疫抑制剤との併用はしないこと。本剤とこれらの薬剤との併用経験はない。
- <アトピー性皮膚炎>
- 7.67.6 本剤による治療反応は、通常投与開始から8週までには得られる。8週までに治療反応が得られない場合は、投与中止を考慮すること。
- <SARS-CoV-2による肺炎>
- 7.77.7 SARS-CoV-2による肺炎に対するレムデシビル以外の薬剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
- 7.87.8 中等度の腎機能障害のある患者には、2mgを1日1回経口投与する。重度の腎機能障害(15≦eGFR<30mL/分/1.73m22)がある患者に対して治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合には、下表を参考に投与することができる。[2.9、9.2.2-9.2.4、9.2.6、16.6.1参照]
- <円形脱毛症>
- 7.97.9 本剤による治療反応は、通常投与開始から36週までには得られる。36週までに治療反応が得られない場合は、投与中止を考慮すること。
- <アトピー性皮膚炎(小児)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
- 7.107.10 体重30kg以上の場合に本剤4mg 1日1回、体重30kg未満の場合に本剤2mg 1日1回投与で治療効果が認められた際には、体重30kg以上の場合は本剤2mg 1日1回、体重30kg未満の場合は本剤1mg 1日1回投与への減量を検討すること。
- 7.117.11 プロベネシドとの併用時には体重30kg以上の場合は本剤を2mg 1日1回に、体重30kg未満の場合は本剤を1mg 1日1回に減量するなど用量に注意すること。[10.2、16.7.1参照]
- 7.127.12 中等度の腎機能障害のある患者には、体重30kg以上の場合は2mgを、体重30kg未満の場合は1mgを1日1回経口投与する。[2.6、9.2.1、9.2.5、9.2.6、16.6.1参照]
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