臨床研究実施計画番号 jRCT1032200080
最終情報更新日:2021年9月14日
登録日:2020年8月7日
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)のガイダンスにおける光干渉断層法(OCT)と血管造影法の比較研究:多施設共同無作為化臨床試験
基本情報
進捗状況 | 参加者募集終了-試験継続中 |
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対象疾患 | 冠動脈疾患 |
試験開始日(予定日) | 2020-09-01 |
目標症例数 | 3656 |
臨床研究実施国 | オーストラリア/ベルギー/カナダ/デンマーク/フランス/ドイツ/香港/イタリア/オランダ/ニュージーランド/ポルトガル/シンガポール/スペイン/スイス/台湾/イギリス/アメリカ/日本 |
研究のタイプ | 介入研究 |
介入の内容 | - OCTガイド下でステントを留置する - 血管造影ガイド下でステントを留置する |
試験の内容
主要評価項目 | - 最小ステント面積(MSA): OCTで評価した各治療割付群におけるPCI後のMSA(OCTコアラボにおいて盲検下で測定) - 標的血管不全(TVF):複合発現率/心臓死、標的血管心筋梗塞(TV-MI)、又は虚血に基づく標的血管再血行再建(ID-TVR)の初回発現を指標とする |
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副次評価項目 | <手技に関する転帰> OCTによる画像診断(OCTコアラボが評価)。血管造影ガイド下の被験者群に対し、PCI後にOCTを施行するが、術者は盲検下で実施する。標的病変ごとに評価を行う。 1)ステント拡張。ステント拡張は、それぞれの対照内腔面積に対して近位及び遠位のステント留置セグメントで達成されるMSAによって定義する。ステント長は、分岐部(目視で2.5mm以上の側枝を含む)病変を除き、近位部および遠位部で2等分する。分岐が存在する場合、ステントを2等分するのではなく、最も近位部側の側枝を起点として分割する。 2)平均ステント拡張率(%) (連続変数):近位および遠位の対照内腔面積の平均値÷平均ステント面積(ステント体積/解析されたステント長)×100 3)ステント内のプラーク突出および血栓 4)未治療の対照セグメント疾患 5)エッジ解離 6)ステント圧着不良 7)境界検出(血管造影群において、盲検化されたPCI後OCT画像のみ) 8)ステント内腔面積(ステント内の血流面積) 9)有効血管内腔面積(総血流面積) <手技時および臨床的な追加評価項目> 10)血管造影上の評価項目(QCA)(血管造影のコアラボが評価)。標的病変ごとに評価を実施する。 11)機器の使用に関する評価項目(施設からの報告;被験者ごとの評価) 12)手技時間(最初のワイヤー挿入からガイドカテーテル抜去まで)、透視時間、放射線への曝露 13)造影剤の使用;造影剤腎症 [25%を超える血清クレアチニン上昇または絶対値で0.5mg/dL(44.2μmol/L)を超える増加と定義];腎代替療法の必要性 14)手技の成功(治療したすべての病変および血管について評価する) 15)手技時合併症 16)OCT実施における成功(施設による報告)(OCT群のみ) 17)OCTイメージングに関連する手技時合併症(CEC判定) 18)PCI前またはPCI後のOCTイメージングに基づいた追加のインターベンション(血管造影ガイドのみに基づくものではないもの)(施設による報告;被験者ごとの評価; OCT群のみ) <30日、1年、2年後の臨床転帰> 19)標的病変不全(TLF;心臓死、TV-MI、虚血に基づく標的病変再血行再建術(ID-TLR) 20)全死亡 21)心臓および非心臓死 22)すべての心筋梗塞(MI) 23)標的血管に起因する心筋梗塞(TV-MI)および非標的血管に起因する心筋梗塞(non-TV-MI) 24)手技に起因する心筋梗塞および手技に起因しない心筋梗塞 25)すべての再血行再建術 26)虚血に基づく再血行再建術および虚血に基づかない再血行再建術 27)ID-TVR、ID-TLR、虚血に基づかないTLRおよびTVR 28)definite、probable、definite/probableステント血栓症(ARC定義) 29)周術期のOCTパラメータ(MSA、手技の成功、圧着不良、解離、突出など)と2年後の評価項目の結果( TVF、TLF、全死亡、心臓死、TV-MI、すべてのMI、ID-TLR、ID-TVR、ステント血栓症など)との関連 <患者報告アウトカム(PRO)> 入院中(ベースラインは必須、手技後は任意)、30日後、12ヶ月後、および24ヶ月後のフォローアップ時に以下の方法で行う。 ・EuroQoL 5D(EQ-5D-5L)による全体的な健康状態の評価 <費用対効果> 質調整生存年(QALY)当たりの費用およびOCTガイダンスによるTVF事象の予防は、標準化された方法を使用して決定する。 |
対象疾患
年齢(下限) | 18歳以上 |
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年齢(上限) | |
性別 | 男女両方 |
選択基準 | 1.18歳以上 2.PCIの適応となる心筋虚血を呈している患者 [例:安定狭心症、無症候性虚血(胸痛又はその他の狭心症に相当する症状のない虚血)、不安定狭心症または急性心筋梗塞)] 3.臨床的に必要とされるPCI手技においてXIENCEステントの留置が計画されている患者のうち、以下の基準を1つ以上満たす A)以下に定義する高い臨床的リスクを有する i.投薬治療中の糖尿病 および/または B)血管造影上のリスクが高い病変で、無作為化を実施する予定の各標的血管において1つ以上の標的病変を有し、以下の基準の1つ以上を満たす i.以下のいずれかに対する責任病変である標的病変 ・NSTEMI:急性冠症候群と一致する臨床症状、かつトロポニン最小値が1 ng/dL(正常値に戻ったかどうかは問わない)と定義する ・虚血症状の発現から24時間超経過したSTEMI ii.Long lesionまたは複数病変(単一の標的血管において使用予定のステント全長が28 mm以上の病変と定義) 注:長い標的病変の場合、長いサイズのステント1本、又は複数のステントのオーバーラップ留置による治療が可能。 注:単一の標的血管において、最大2病変の標的病変をステントオーバーラップ留置以外で治療する場合、標的病変がいずれも1つの連続する血管内に存在する場合と、それぞれ主枝と側枝に分かれて存在する場合がある。 iii.2本のステントで治療予定の分岐部病変(主枝および側枝の両方を治療予定)かつ側枝に留置予定のステントが血管造影による目視計測で2.5mm以上 iv.血管造影上の高度石灰化(心臓の拍動がない状態で、血管造影上目視で血管壁の両側に観察される石灰化) v.慢性完全閉塞(CTO)(この場合の被験者登録および無作為化は、順行性のワイヤークロスおよび前拡張に成功した後に実施する) vi.びまん性又は多源性のステント内再狭窄(病変がステント辺縁またはステント内にあり、血管造影により目視計測した径狭窄率が70%以上、または50%以上かつ非侵襲的検査もしくは侵襲的検査において虚血所見を呈する) 4.すべての標的病変(無作為化の対象病変)において、目視またはQCAで径狭窄率が70%以上または50%以上で次のいずれかを満たす:標的病変において虚血を示す機能検査の異常(FFR、負荷検査)、またはプラーク破壊または血栓を伴うバイオマーカー陽性のACS 注:本臨床試験の適格性を踏まえ、スクリーニング時のトロポニン値が1 ng/dL以上である場合は、バイオマーカー陽性とみなす。 5.PCI施行前の血管造影による目視での評価に基づき、すべての標的病変(無作為化する病変)について、2.5 mm~3.5 mmのステントおよび後拡張バルーンを用いた治療計画が立てられている。 6.ひとつの血管においてPCIを必要とする標的病変が2つ以下であり、かつ標的血管が2本以下である。従って、ひとりの被験者につき分枝を含む最大2本の標的血管において1例あたり最大4つの標的病変が無作為化の対象となる。対象となる標的病変は無作為化の直前に決定する 注:病変は、ステントが1本かオーバーラップかに関わらず、連続して被覆されるものであれば、長さに関わらず冠動脈のいずれかのセグメントに分類される。分岐部は側枝が治療される予定である場合でも単一病変としてカウントする 注:無作為化された標的血管内のPCIで治療予定のすべての病変を標的病変とみなし、それぞれの無作為化された血管のうち少なくとも1つの標的病変は、前述の選択基準3のBに示す血管造影上の選択基準を満たす必要がある。唯一の例外は、薬物治療中の糖尿病のために試験に組み入れられる被験者の場合であり、その場合、血管造影上の選択基準を満たす標的病変を有する必要はない 7.標的血管内のPCI治療の対象となっているすべての標的病変が、OCTガイド下でのPCIの適応である(個々の 病変が血管造影上の除外基準に該当しない。第5.4.2項を参照) 例:血管造影上でリスクの高い適格病変がLAD近位部にあり、LAD遠位部にハイリスク基準を満たさない局所性病変である第2の標的病変がある場合、LAD近位部の病変およびLAD遠位部の病変の両方がOCTに適していなければならず( OCTカテーテルの通過を妨げる過度の蛇行や石灰化がない等)、また各病変ともOCTガイド下でのステント留置を受けなければならない。それ以外の場合、当該血管は無作為化の対象から除外される 8.被験者は、臨床試験関連のあらゆる手順の前に同意説明文書に署名しなければならない |
除外基準 | <臨床的な除外基準 > 1.虚血症状の発現から24時間以内のSTEMIを呈する 2.クレアチニンクリアランスが30 ml /分/1.73m2以下(推定GFRに関するMDRD計算式で計算) であり、透析を受けていない 3.指標手技時に低血圧、ショック、または機械的補助や静脈内昇圧剤を要する 4.うっ血性心不全(Killipクラス2以上またはNYHAクラス3以上) 5.手技前3ヶ月以内の最新の画像検査によるLVEFが30%以下である。3ヶ月以内にLVEFを測定していない場合、心エコー、マルチゲート収集法(MUGA)、磁気共鳴画像法(MRI)、左室造影(LV gram)或いはその他の方法により必ず測定すること。 6.不安定な心室性不整脈を呈する 7.ACSを有する患者において12ヶ月以上、または安定CADを有する患者において6ヶ月以上の期間、DAPT(アスピリンおよびP2Y12阻害剤の両方)を服用することができない。ただし、患者が長期の経口抗凝固療法を受けていて、地域の標準治療に従いDAPTの継続期間がより短くなる場合を除く 8.指標手技後24ヶ月以内に心臓または心臓以外の大手術が予定されている 9.指標手技前12ヶ月以内に標的血管内でのPCI歴がある 10.2つ目の無作為化対象の標的血管に対し計画されたステージ手技を除き、試験手技後24ヶ月以内に標的血管内のPCIが予定されている ステージ手技の計画については無作為化の時点で記録する必要がある。またこの決定は指標手技後24時間以内であれば変更することができる。複数の病変および複数の血管の治療の詳細については、第6.5.3.8項を参照すること 11.試験手技前24時間以内、もしくは過去30日以内に実施され不成功または合併症発現を認めた、非標的血管内における過去のPCI 施行歴がある 12.すべてのP2Y12阻害剤を含む試験に使用する医薬品等、エベロリムス、コバルト、クロム、ニッケル、プラチナ、タングステン、アクリル、およびフルオロポリマーを含む、試験に使用する機器の1つ以上の成分、または適切な前投与量の造影剤のいずれかに対して過敏症または禁忌であることがわかっている 13.固形臓器移植を受けその臓器が現在機能しているか、または固形臓器移植の待機中で24ヶ月以内に臓器移植を受ける見込みがある 14.免疫抑制療法を受けているか、または慢性免疫抑制療法を必要とする免疫抑制性疾患または重度の自己免疫疾患(すなわちヒト免疫不全ウイルス、全身性エリテマトーデスなど)に罹患していることが分かっている。 15.冠動脈(血管内照射の小線源療法)または胸部/縦隔に対する放射線治療を以前受けているか、または受ける予定である 16.血小板数が100,000/mm3未満または700,000/mm3より多い 17.肝硬変またはChild-Pugh分類のグレードB以上と定義される肝機能障害と記録されている、または疑いがある 18.出血性素因または血液凝固障害の既往を有する、または過去6ヶ月以内に重篤な消化管出血または血尿の既往がある 19.過去6ヶ月以内の脳血管障害または一過性脳虚血発作(TIA)、または時期を問わず頭蓋内出血の既往、または永続的な神経学的欠陥、または頭蓋内病理所見(すなわち、動脈瘤、動静脈奇形など)を認める 20.6Frのシースの安全な挿入を妨げる広範囲の末梢動脈疾患を有する。 21.非心原性の要因で、余命が2年未満である 22.主要評価項目を完了していないその他の医薬品または医療機器の臨床試験に参加中である 23.妊娠中または授乳中、及び指標手技後2年以内に妊娠を計画している被験者。妊娠可能な女性被験者は、指標手技前7日以内に試験実施施設の標準検査に従って妊娠検査を受け陰性でなければならない。 24.その他の解剖学的状態あるいは併存症、又はその他の医学的、社会的あるいは心理学的状態により、被験者の本試験への参加する能力或いは経過観察の条件を遵守する能力が限定されうると臨床試験責任医師が判断した <血管造影上の除外基準 > 1.第6.5.1項に従い評価したSyntaxスコア33以上(心臓外科医を含むハートチームの正式な会合でPCIが適切であると判断された場合を除く) 2.目視による評価に基づき標的血管において2.5 mm未満のステントを使用する計画がある 3.標的病変に対し、3.75 mm以上のステントまたは後拡張バルーンを使用する計画がある(この除外基準の例外として、選択基準5を参照) 4.標的血管において、OCTカテーテル通過の妨げとなるような、重度の血管蛇行または石灰化を有する 5.指標手技時に治療予定のない径狭窄率50%以上の病変が標的血管に存在する 6.標的病変が左冠動脈主幹部にある 7.標的病変がバイパスグラフト内にある 8.標的病変がRCA入口部にある 9.標的病変にステント血栓症を認める 10.標的病変に対し、Xience以外のステントの使用を計画している |
保険外併用療養費
保険外併用療養費の有無 | なし |
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関連情報
研究責任医師 | Coe Jessie |
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研究責任医師以外の責任者 | |
研究資金等の提供組織名称 | |
他の臨床研究登録機関発行の研究番号 | NCT03507777 |
問い合わせ窓口
担当者 | Gibbens Kristina |
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所属機関 | Abbott |
所属部署 | Global Clinical Affairs |
郵便番号 | |
住所 | 6820 Wedgwood Road North, Maple Grove, MN 55311 USA |
電話 | 1-651-756-3859 |
FAX | |
kristina.gibbens@abbott.com |
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